forestへの事業譲渡の裏には、どのようなやり取りや決断、経営者の想いがあるのでしょうか。今回は、forestにM&Aをした株式会社Tsuzucleの代表 森祐太氏と、forestの代表 湯原伸悟の対談をお届けします。(以下、敬称略)
森祐太 略歴
東京大学農学部森林環境科学専攻を卒業。
同大学農学部在学の2020年にマーケティング・グロース支援およびShopifyによるEC構築支援に取り組む株式会社Tsuzucleを創業。事業の明確な目的設定から実行に至るまで、細やかに伴走する手法を強みとして、様々な企業の支援を行い、4年間でリテール企業を中心に100社あまりを支援。
2024年にforest社と資本提携し、グループ企業に。
M&Aに自社を伸ばせる可能性があると感じ、検討を開始
湯原:
まずはTsuzucleについてご紹介いただけますか。
森:
Tsuzucleは2024年で5期目の会社で、コンサルティング事業、マーケティング事業、開発事業と大きく3つの事業を展開しています。コンサル事業やマーケ事業の主なお客様は、エンタープライズ企業や大きめの中小企業です。事業を多角的に展開するなかでコントロールしづらくなっていたり、CMOの重要性が高まっていたりしているところに対し、我々が第三者として入り、データ活用やSNS運用、場合によっては事業モデルの再検討を行っています。EC化が進んでいない事業会社、自社ECを立ち上げたいお客様に対しては、Shopifyを用いたECチャネルの実装・立上げ支援を行っています。
湯原:
今回、forestとM&Aをする運びとなりましたが、M&Aという選択についてはいつ頃から頭にあったのでしょうか。
森:
考え始めたのは1年前ぐらいですね。創業した当時も、成長した先にM&Aがあり得るとは思っていましたが、IPOを目指す可能性もあり、そこまで具体的には考えていませんでした。1年前ぐらいの時点で、Tsuzucleを伸ばせる可能性があるのはIPOよりM&Aだろうと思うようになったため、そちらに舵を切ったという感じです。
湯原:
IPOよりM&Aのほうが伸ばせると考えた理由は何ですか?
森:
弊社の取組むB to B支援を強化していくには、知見と実績、そして年齢を含む経験値がどうしても必要だったことが大きいです。Tsuzucleは私が学生起業した会社で、20代を中心とした社員により地道に事業を広げてきた経緯があります。この中で、更なる成長・案件規模の拡大を目指すには、必要となる企業間のネットワークや、デリバリーを高品質かつ着実に遂行できる体制が求められると感じていました。今後のことを考えると、企業経営をはじめとした上流部分の深い理解と、事業会社における現場課題への実務を通した経験がサービス品質に直結すると考えており、ビジネス経験の豊富な人材の登用を検討するなど、組織体制の強化を模索している中で、IPOとM&Aを並行して検討していた状況でした。
シニアメンバーを中途で入れることも検討したのですが、単に入ってもらえばいいという話でもないと思ったんですよね。長く一緒にやってきたメンバーの中に私が連れてきたシニアメンバーを入れると、ハレーションが起こるおそれがあるなと。そこで、M&Aでグループインしたのちに経営メンバーとして入ってもらい、グループで事業を伸ばすことを目指す形が、既存の社員も動きやすくて良いのではないかと考えました。
真剣に事業を伸ばそうと思ってくれる会社だと感じ、forestとの契約を決断
森:
M&Aについて検討し始めたのは2023年の夏でしたが、当時、海外にいたこともあり、実際に動き始めたのは2024年の年明けです。仲介会社に依頼し、社名を出さずに業態、売上、利益といった情報を出したところ、30社ぐらいから興味を持っていただき、その中にforestが含まれていました。
湯原:
弊社はこれまでECブランドメインでM&Aをしてきたのですが、機能強化につながるM&Aをしたいという思いがあり、ここ1年ほど薄く広く情報収集していたんです。ただ、リサーチはしているものの、なかなかお会いするまでには至らず、Tsuzucleが初めての事例となりました。仲介会社に興味があるとお返事をし、初回面談をしたのが3月でしたね。
森:
M&Aは半年から1年かかるのが一般的ですから、かなりのスピード感だったと思います。面談を組んだ段階で手を挙げてくださっていたのが8社で、3月に面談を行ったあと、4月の頭には条件提示をしていただけるようお願いしました。事業に時間を割きたいので、M&Aはできるだけ早く話を進めたかったんです。
湯原:
弊社はM&Aの機動性を特徴としていますから、求められるスピード感に応えることに難しさはありませんでした。会社情報を調べている段階で、地に足をつけて事業に取り組んでいる会社、代表だという印象を抱いていたのですが、実際にお会いしてみたところ、想像以上に良い意味で真面目な会社だと感じましたね。
森:
そうした客観的な評価を受けられたのも、今回の成果の1つでした。Tsuzucleはベンチャーキャピタルや投資家を入れずにやってきたため、外部から評価を受ける機会が少なかったんですよ。
湯原:
最終的にforestをお選びいただいた決め手は何だったのでしょうか。
森:
うちの事業を伸ばすことを真剣に考えてくれていると思えたことですね。加えて、M&Aをしようと決めた理由である人材の交流、流動性の点もforestであれば叶うというお話だったため、M&A後のグロースを想像できたという理由もあります。
湯原:
条件提示をした会社はどれぐらいだったのでしょうか。
森:
8社と面談をしたのち、forestを含む5社から条件提示を受けていました。
森:
最後の最後までラブコールを寄せていただいていた会社もあったのですが、先ほど申し上げた理由で、forestを選びました。他はすでに上場している企業で、Tsuzucleの事業が核になるまでには至らないのではないかと思った部分もあったんですよね。forestは上場を見据えてブランド事業をM&Aされていらっしゃる会社であり、事業ポートフォリオにTsuzucleの事業が入る意味が大きいと思えました。座組として緊張感を持ち、互いに事業を伸ばしていけるwin-winの関係性を築けるのではないかと。
湯原:
グループインしていただいた会社に伸びてほしいのは我々としても常に思っていることです。
森:
あとは、これまで携わってきたメンバーがより気持ちよく働けるかも重視しました。M&Aを機にメンバーが抜けてしまうのはありがちな話なのですが、そこは避けたいなと。M&Aのタイミングで役員陣に加わってもらうよう要望を出したのですが、結果的に既存メンバーと雰囲気が合ったのは大きかったです。
湯原:
ほぼ常駐はforestとしても初めての事例でした。
森:
Tsuzucleとしては、親会社への報告を担う担当役員ではなく、しっかり経営に加わっていただきたいというのが要望だったため、そこが実現できたのは嬉しいところでした。あとは、意思決定が早いこと。バックオフィス業務の重さに苦しんでいる会社が多くいるなか、forestはそこにきちんと投資されているため、グロースに集中できるのではないかと期待しました。
湯原:
まだまだ十分とはいえないのですが、M&A後は事業成長にフォーカスしていただきたいため、バックオフィス業務など、事業以外の部分はこちらで支えたいと思い取り組んでいます。
対談の後半では、M&Aから2ヵ月経った今の所感、今後の展望について伺います。
【Tsuzucle 森氏×forest 湯原 対談後編】「リスクが分散したことで、成長のためのリスクを取りやすくなった」Tsuzucle代表が語るM&Aがもたらす新たなキャリアチャンス、今後の展望とは
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